ニシアフの交尾が成功したら、次は♀の産卵が待っています。
産卵は♀にとって命がけです。
1年後、母子共に元気で暮らしていることを望むのであれば、この時期の♀に対するケアはしっかり行わなければなりません。
ここの準備とアフターケアを疎かにすれば、そのまま衰弱していき亡くなってしまうことになります。
そして卵の安全のため、環境面でも十分な準備をしなければなりません。
今回はニシアフリカトカゲモドキの交尾後~産卵までの環境について、我が家の実例を元に紹介していきたいと思います。
産卵についての基礎知識
クラッチとは?
ニシアフは一度に1~2個の卵を産みます。
この一度の産卵行動のことをクラッチという単位で表します。
(1回目の産卵は1クラッチ目、2回目は2クラッチ目、3回目は3クラッチ目….)
そして、ニシアフは1シーズンで多くて5~6クラッチ程の産卵を行います。
つまり、1クラッチにつき2個の卵を、6クラッチ分産んだとしたら…
合計12個の卵が取れるという感じです。
どこに産む?
ニシアフは基本的に土の中に卵を産みます。
よって産卵時期は♀が産卵できるように土の入った産卵場所を設置してあげる必要があります。
産卵場所の作り方
土を用意する
産卵場所に使う土は、園芸用の土やバーミキュライト、細かい目のヤシガラなどを混ぜたものを使っています。
湿りをある程度保てる土なら割と幅広く使えるように思います。
土は水が底面にたまらない程度に湿らせます。
ケージの一角に産卵場所を設置する方法
土の入ったタッパーをケージの一角に置きます。
タッパーの蓋には、生体が出入りできるほどの穴を作っておきます。

メリット
・産卵後の卵を見つけやすい
・産卵したタイミングが分かりやすい(土の乱れが分かりやすい)
デメリット
産卵場所が気に入らない場合、別の場所で産んでしまうことがある
⇒乾燥によって卵がダメになることが多い
ケージ全体に土をひく方法
ケージ全体に産卵用の土をひきます。
その上にシェルターを置けば、中で土を掘り産卵することが多いです。

メリット
土を湿らせておけば、どこに産んでも卵が乾燥しにくい
⇒卵によって安全
デメリット
・卵が見つけにくい
・産卵したタイミングが分かりづらい
交尾後~1クラッチまでの準備期間
交尾に成功した♀は多くの場合、かなり食欲が増します。
しっかりカルシウム剤とビタミン剤をダスティングした餌を2~3日に1度、欲しがるだけ与えます。
1週間~2週間ほどで次第に♀のお腹も膨らみ、お腹から白く卵が透けて見えるようになってくることが多いです。
そうなれば、並行して産卵場所を設置してあげます。
やがて食欲がなくなり、土を掘りだしたり、仕切りに壁を登ろうとしたりと落ち着きをなくしてきたら産卵は間近だと思います。
念のために水入れは取り除き、毎日の霧吹きにきりかえます。
この辺りから、♀のお腹の膨らみ具合や産卵場所のチェックを毎日行い、産み落とされた卵を見逃さないようにします。
交尾後~1クラッチ目までの期間は個体によってかなりバラつきがあります。
2週間から長くて2か月ほどかかる個体も中にはいました。
1クラッチ目後~ラストクラッチまでの管理
1クラッチ目の卵を回収した以降は産卵場所はそのままにします。改良が必要な場合は改善します。
産卵後は基本的に産卵前の準備段階に戻ります。
産卵後、♀の食欲は回復するので再び十分な餌やりはじめ、水入れを設置することで
十分な栄養補給とケア
⇓
産卵間近になれば、水入れを取り除く
お腹の膨らみの変化と産卵場所を毎日注視
⇓
産卵後の卵をできるだけ早く回収
産み続ける限りこれのループになります。
産卵から次の産卵までは大体1週間~2週間程度の間隔が多いですね。
産卵した卵がたとえダメなものでも、♀へのケアは決して怠ってはいけません。
産卵時期の♀の体調ケアは特に慎重に管理します。
まとめ
今回は産卵時期の♀の行動と管理方法を紹介してきました。
やはり一番大切なのは♀の栄養管理とアフターケアですね。
この時期に餌やりをサボってしまうのはかなり致命的です。
そして、いかに卵を安全な状態で回収できるかです。
これは♀個体によっては試行錯誤する必要があるかもしれません。
水入れ、ペットシーツの裏、ウェットシェルターの上段内部などに産卵してしまう♀もいます。
そういう場合はその個体に合わせて環境を改善しなければなりません。
今回紹介した内容を少しでも参考にしていただけたらと思います。
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